2014年12月14日日曜日

板橋区ホタル生息調査に対する議会での厳しい追及

結果が確定するまで気になる総選挙の速報は置いておいて、記事を書いています。
前回の記事では、公明党のしば佳代子区議の発言を取り上げましたが、板橋区議会ではホタル生態環境館の事件について多くの意見が表明されています。


今回は、2014年2月19日の区民環境委員会にて、市民ネットの幹事長である高橋正憲区議が行った本質を衝く質問を紹介します。質問のどの部分も重要な指摘が含まれていますので、全文を引用させていただきます。元の板橋区議会の会議録はWeb上に公開されています。赤字は引用者によります。

2014.02.19 : 平成26年 区民環境委員会 本文

◯高橋正憲
 一通り皆さんやったので、私も質問させてもらいます。 
 僕は一番大事なことというのは、先ほどすえよし委員も言ったけど、施設がどういうような行政評価をしているかということなんですよ。それを抜きにして、どうのこうのというふうに言っているけども、明らかに先ほどすえよし委員が言ったように、区民や見た人方が大きな評価をしているわけです。それをあり方検討委員会なるものが、先ほど言っていましたよね、すごい気に食わなかったのは、教育とか、保育園とか、そういうものに金がどんどんかかるんだと。そういう中でホタルがあって、ホタルはあり方検討委員会の中でなくなるんだと、そういう発言していたでしょう。本当なんですか。そんな発想というのは、僕は聞いたことないですよ。今まで20数年間、ホタルの活動をやってきたんですよね。僕は最初からわかっていますよ。僕は、昭和62年に議員になったときから、ずっとかかわってきましたから、それ以来、ホタルの評価というのは高いですよ。 
 今、まさに原発問題で、放射能がどんどん漏れちゃって、自然環境が破壊されるという中で、どういう環境をつくっていくんだという中にまさにホタルというものがあるわけでしょう。あれをすぐつくれと言っても無理ですよね。でも、あれを一つ見本にして、環境問題を考えて、そういう関係をしていこうという一つの材料であるわけでしょう。もちろん癒やしもありますよ。だから、多くの皆さんは、それに対して評価を与えてきたんですよ。そういう区民の声が反映されない。あり方検討委員会というわけのわからないところでこれは必要ないよという話になっちゃって、その方向性で今回は非常に私も問題に思っているのは、そこにいる施設長とかに一切電話をしないで踏み込んだというわけだよね。それはまさに不信感の塊でしょう。言ったら何かごまかされちゃうんじゃないかとか、何かされちゃうんじゃないか、だから踏み込んじゃえ、やっちゃえ。これというのは、僕は非常に問題だと思いますよ。NPOとか、みんな協力してくれる人とか、社員とか、職員とか、係長、課長とか、そういう中の信頼関係の中で仕事というのは行われているんでしょう。それが職員を全く信用しないで踏み込んでいって、結果的にはこうでしたよという話なんです。こんな話ってあり得ないですよ。 
 まして、せせらぎというのは、20数年間、試行錯誤してつくってきたものなんだよ。わかるでしょう、それは。それを一瞬で踏み潰すわけですよ、土足で入っちゃうんですよ。そういうことって、誰が見たって、聞いたって、おかしいと思うよね。いいですよ、査察みたいな感じで、書類とかなんか、急に行って、ごまかしているんじゃないかとぺらぺら見るのはいいよ。だって、実際に生き物が生きている、そういう20数年間かけてつくったせせらぎを土足で入って潰すんでしょう。そういうことというのは、先ほど国交省の規定の0.5の網だと言ったけど、僕は信じられない。 
 それと、もう一つ、ボランティアとかの人からもらったホタルの幼虫という、これが本当にホタルの幼虫、僕はごみとしか見えないんだけど、これが幼虫だとしたら、0.5の網からは十分逃げられる。だって、0.1とかないんだもん、よく見てみな、これが本当に成虫だとしたらよ。見てください。本当に1ミリぐらいの長さで、太さというのは本当に小さいですよ、これが本当だとしたらよ。これだったら網から十分逃げられますよ。そういうふうに私は感じますし、皆さんも多分これを見たら感じると思います。 
 それに今回、1月27日に行ったというんだけど、調査する日程とか、時期とか、そういうものを考えたら、それは本当にいい時期だったんですか。僕は何か臭くてしようがないんだよ。臭いというのは何かというと、要するにこの施設を潰すんだと、なくすんだと、そういうのが頭の中の前提にあるから、何やってもいいんだという、そんな雰囲気であそこに踏み込んで、めちゃめちゃにしているような、そんな感じがしてならないんです。僕は、あそこのせせらぎは、非常にきれいで、水を飲んだりしても全然害がないぐらいのそういう部分だから、できる限りああいうところに踏み込んで何かするということは、してもらいたくないし、普通であれば、手塩にかけたというか、そういう職員がいるんであれば、職員と十分に話をしながら、調査するということでないと、先ほどから、そうじゃないんだ、正確なものを知るためにはそうなんだという話をしているけど、そんな理屈は通らないですよ。 
 だって、いつ行ったって、いるものはいるし、いないものはいないでしょう。だったら、正々堂々と職員と何で対峙してやらなかったんですかというのが、どんなふうに説明を受けてもわからない。これはまさに職員との間で全く関係がゼロの関係ですよね。でも、これもあり得ないんですよね。係長、課長がいて、職員がいるんだから、やっぱり管理責任というのはちゃんとやるわけでしょう。今まで受けていた何万匹というのを信用してきたというんでしょう。何で今回だけはそういうことでなくて踏み込んだかというと、そこにはあり方検討会で廃止するんだということがあるから、何としても、できる限り少なく捕獲して、これしかいないんだから、だめなんだよということを逆に知らしめるというか、ちょっと歪曲した意見かもしれないけど、そういう心の底というのが何か見えてくるんだよね。 
 僕は一般論を言っていますけど、一般論でそういうふうに感じるんだから、多分ちょっとかかわってきた人とか、ホタルいいなというふうに思ってきた人というのは、ほとんどこういう考え方だと僕は思いますよ。そして、このことについては、ボランティアもそうだけど、町会も、高島平、高島町会の人方もみんなかかわってきているんですよね。例えば公開のときには、ちゃんとみんなを整理したり、一生懸命やってきているんです。感謝状ももらっているんですよ。僕は保育園もふやさなきゃいけないし、教育にちゃんとお金をかけなきゃいけない、こういうふうに思いますよ。でも、ホタルだって、もう少しきちんと整理して、今回しば議員が質問したのもいいなと思っているんですけど、必要なところにお金をかけるような形できっちりと運営することができる。足立区のだって、人がやっていたのをちゃんと組織的にやることによって、そういう人がいなくたって運営できるようになった。 
 このことについては何回もやっていますよ。1人じゃだめだから、ちゃんと技術とかなんかを継承できるようにきちんとやっていかなきゃだめだよと。そういう話というのは、きのう、きょうじゃないですよ、こういう問題が起きてからでないですよ、以前からずっとやってきている。そういうことをやらないのは、逆にいうと、この施設をここだけでやめちゃうんだと、だからなるべくそういうようなことをやらないほうがいいんだというようなイメージに聞こえてきちゃうんだよね。本当に今、行政評価が言われているように、必要な施設であるならば、少なからずちゃんと技術とかなんかを伝承できるような、そういうような形というのは、管理責任としてやるべきでしょうというのは、ずっと昔から言っているよ。それも今までやられてこなかったわけでしょう。 
 それと、もう一つ、非常に重要なことで、初めてというか、幼虫を持ち込んでいたという話ありましたよね。これはもちろん重大な話なんだけど、これはちゃんと持ち込んだという事実とか、幾らで持ち込んだとか、そのようなものはきちんと押さえているんですか。そういうものを含めて聞きます。

この質問には様々な問題点が指摘されています。私なりにまとめると以下の点が大きな指摘ではないかと思います。これらの点について板橋区が明確な回答を出すべきだと思います。
  1. 20数年間におよぶホタル生態環境館の活動は、区民や見学者から高い評価を得ていた。しかし、その存廃を議論する「あり方検討委員会」は廃止の結論ありきで事を進めているのではないかという疑問がある。
  2. 館長(施設長)に全く相談なくせせらぎに踏み込むという行為は、行政と施設を維持してきた職員やボランティアの間に全く信頼関係がないように見える。その事自体が問題ではないか。
  3. 20数年間かけて作ってきた、実際に生き物が生きているせせらぎに土足で入って踏み潰す行為は許されるのか。
  4. 調査の時期は適切だったのか疑問。いつ行ったって、いるものはいるし、いないものはいない。正々堂々ともっと生き物を傷つけない方法が採れたのではないか。
  5. 発端となった幼虫の持ち込み疑惑に根拠はあるのか。

以上



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